今回はイップスについてお話します。
なかなか書いていくのも辛い内容です。笑
ちなみに私は23歳のときから現在まで悩まされています。
23~25歳まではホントに野球が辛かったです。
投げ方が分からない
まさにこの通りなんです。
私が発症したキッカケは職場(前職)の人たちと一緒にやっていた早朝野球のチームでキャッチャーをやっていたときでした。
本職は外野なのですが、小・中ブルペンキャッチャーをやっていた経験と早朝で毎回人手不足ということもあり守っていました。
特に何事もなく、イニングが進む中で
守備側で無死一・二塁の場面が訪れました。
バッターは送りバントの構え。
転がった瞬間、ちょうど目線の高さにボールが跳ね上がり
「サードで刺せる!!」
と判断し、処理したあとすぐサードへ送球しましたが
結果はサードの遥か上への大暴投、、、
「やってしまった」と思った矢先、主審の判定はファール。
結局そのプレーは幻となったのですが監督やベンチ(二人とも会社の上司)から
「おおおおい!!!どこ投げてんだおめぇ!!」
罵声をそのイニングずっと浴びせられスリーアウトとった後ベンチへ戻ると
「イップスかよお前、今日からイプサーって呼ぶからな」と。
そんなこと気にしなければ良かったのですが、自分で暗示をかけてしまうかのように「俺はイップスなのかな」とずっと心の中で引っかかっていました。
そのうち捕手から投手への返球も引っかけてワンバンになったり、すっぽ抜けてジャンプしても捕れなかったり
それを無くそうと肘が下がってダーツのような投げ方になり
コントロールがますます悪くなる。
どんどん悪循環に陥っていきました。
小学校からやってきている野球ですが、自分が積み重ねてきた経験値が一気に消えてなくなってしまう
思い出そうとしても身体は全く別の動きをしてしまう。
そんな感覚と絶望感で3年間野球をしていました。
周囲に打ち明ける勇気
満足に投げれない影響でメンタルも弱くなってしまい、
「こんなんで打席に立っていいのか、試合に出ていいのか」
とまで思うようになっていました。
何も改善の兆しが見えない。
そんな中、一人の友人が唐突にキャッチボールに誘ってくれました。
もうその頃はオフに入っていましたし、試合で迷惑をかけるようなこともないから、気楽にやろうと思っていたのですが
やはりコントロールがバラバラに。
それを見た友人が「場所を変えよう」と言い、
案内してくれたのは室内練習場でした。
そこで「どこに投げたっていい!納得いく投げ方探していこう」
と言ってくれました。
友人も実はイップス経験者で私のフォームを見てイップスなんだと気づき、自分が治療して効果が出たやり方や、練習方法を丁寧に教えてくれました。
その時に
「自分でイップスなんだと殻にこもっていては絶対治らない。まずは自分で受け入れて他の人にも理解してもらい指導してもらおう」
そう決心いたしました。
その後、地元のチームの年の近い選手を集めた冬のオフ練があったのですが、そこでも色んな選手に指導してもらい自分の中でイップスの処方箋と薬みたいなものを頭の中に作ることができました。
リリースの後に大きな歯車を回せ
その中でもしっくりきたのが(右投げの場合)
リリース直後の手を左側に持ってくるのではなく、右側にとどめておく。
その際、腕を止めないで右手で大きな歯車を回すイメージで回転させる。
この練習方法です。
こうすると投げる瞬間肘が縮まることができず、本来のリリースポイントでバチっと離せるようになります。
この練習とキャッチボールを組み合わせ、ひたすら反復練習。
すると春先にはなんとか自分のリリースポイントを安定させることが出来るようになりました。
キッカケは人それぞれ
イップスはいつ誰がなるかも分かりませんし
治ったと思ってもいつ再発するのか全く予想できません。
私も今は感覚良く投げれているほうですが
内野送球やクイックスローなどをやるとたまに顔をのぞかせます。笑
ただ一つ言えるのは
発症したら自分で受け入れた方が治りは早いと感じます。
プライドが邪魔をしたり、人に迷惑をかけたりを気にして
なかなか告白できないでいるよりかは
親しい友人や信頼できる指導者に相談し分かってもらうことが早期回復に繋がります。
せっかく好きでやっている野球を
ケガや病気じゃないのに楽しめないでいるのは
とても勿体ないことだと思います。
どうか悩んでる人がいたら、まずは相談してください。
そして周りの人たちも理解してあげてください。
投げやすい環境を周りの人たちが作ってあげることも大切です。
暴投しても過剰に反応したりせず、温かくチームで見守ってあげてください。
ちなみに私が救われた言葉は
「野手なんてグローブ届く位置に投げるだけでいんですよ、その近辺に投げて取れないのは受け手が足を運んでない証拠です」
この言葉でスッと心が軽くなりました。
一人でも多くのイップスを発症している方が改善されることをこの記事を書きながら願っています。
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